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最奥の村ウギンバでは、約1カ月半にわたってモ二族、グ二族たちと、楽しく平和に暮らすことができた。 村を去る日が近づいたとき、モニ族の少女が野イチゴをいっぱい持ってきて、私にプレゼントしながら「いつ帰るの」と聞いた。
「明日だ」と答えると、彼女は指折り数えながら「カパ(ここ)、カパ、カパ、カパ」と繰り返しながら泣きだした。 つまりその少女は「今日も、明日も、あさっても、その次の日も、ずっと(私たちに)ここにいてほしい」といって泣いたのである。
私もこのときばかりは、感動の涙をハラハラと流した。 全世界から「人食い人種」として誤解されてきた人たちなのだ。

これほど素朴で、親切で、はにかみやで、おしゃれで、お人よしで、しかも涙もろい人たちであるというのに。 恥ずかしい限りだ。
なんの証拠も根拠もないのに、人を外観だけで判断するのは、大きな間違いであると。 その翌日、近くのソンバイマ村へミイラの見物に出かける。
遺体を風葬にしてミイラ化したものが家に持ち帰られ、イロリでいぶされ黒光りしている。 50年以上経っているという。
なぜか違和感もなく、触ったりして写真を撮りまくる。 よく注意してみると、前々回と前回ワメナを訪ねたときアイキマ村の村長の家でみたミイラと、同じものであることがわかった。
この村長は観光客からミイラの″拝観料″をとって、荒稼ぎをしていた。 前々回が1人日本円に換算して150円だったのが、前回は400円にはね上がっていた。
村長の服装も、ジャンパーを着込み、キャプテン帽にサングラス姿と変身していたが、横にいたペニス・ケースだけの裸の″正装″の男のほうが堂々としていて、しゃれたつもりの村長のほうが、よっぽど貧相にみえた。 どうやら村長のがめつい商売は、その後インドネシア当局の方針で禁止されたらしい。


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